蝉鸣以前

张子璇 Kosen

 
 

蝉が鳴っているうちに

 

 

夢を見た

私はそのなかで白髪の老人で、川で泳いでいた

 

夢を見た

私はそのなかで三匹の蛇で、私自身を見ていた

 

夢を見た

私はそのなかでは森で、蝉の鳴き声を聞いていた

 

 

夢を見た

一匹の蛾になった私は、窓に張り付いて,君の姿を覗いた

 

夢だとわかっていたけれど

あなたの声はやさしくて

私はずっとそこにいたかった

 

すぐに忘れてしまうこと

お婆ちゃんの匂い

おとといの天気

かつて私が蝶であったこと

 

目が醒めたら私は、私になっていた

 

 

 

 

 

ここは4歳前住んでいた村で、お爺さんの家だ。

幼稚園に通ってから、

毎年夏休みになったら兄弟と一緒にこの村に戻っていた。

犬、とり、ヘビ、蛍、かめ…

毎日じっくり小さな動物を観察するのが大好きだった。

おじいさんは虫や蛇などを手で捕まって目の前で見せていた。

まったく怖くなかった。

靴も履いていないまま、泥だらけの毎日だった。

おじいさんの肩にかけた私は 何も怖くなかった。

 

父さんと母さんが離婚した後、

あまりその村に戻る機会もなくなっていた。

2016年の夏休みに5年ぶりに、東京からここに戻った。

なにも親しいそうけど。

なにも変わった気がする。

 

記憶にあるおじいさんもぼんやりしている。

子供の時おじいさんが歌ってくれた子守歌だけはよく覚えている。

村の景色は濃い青い色のようなイメージで印象に残った。

ずっと引越ししていた私は時間の輪に迷った、

世界は変わり続けている。

 

変わっていないのはおじいさんだけだろう。

 

张子璇 kosen

1993年    合肥 中国に生まれる

2015年    Shaanxi University of Science & Technologyの環境デザインコースから卒業

2017年    武蔵野美術大学 映像学科 写真コース大学院に入学

初めて写真に触れたのは大学の2年生だった。その時は建築デザインの勉強で空間の写真表現作品を作った。2015年、日本への留学をきっかけにして、家族関係を視覚化する写真作品に移行し、見えない心までレンズ延びる実験を始めた。

 

現在ではデジタル写真を中心にして、家族関係などの特殊な人間関係における本質的なつながりを写真で表そうと思っている。他人と付き合うことで残った記憶または一瞬感じた微妙な感覚の手がかりをメディアディーで拡大し、具体的な画面まで二度と再現したい。そのため今住んでいるところや昔住んでいた場所における撮影を行って来た。

kosen.me

 

CV

2017/9月−10月 ゼミ写真展「最後のギャブル」渋谷ルデコギャラリー

2018/7月 三人写真展「a reality in the second degree]東京Alt-Mediumギャラリー